- 人工知能やAI って最近よく耳にするけど結局何なの?分かりやすく教えてほしい!
- 人工知能の話に必ずといっていいほど機械学習やディープラーニングってよく分からない言葉が出てくるけどワケが分かりません。機械が学習?AIとどう違うの?
このような疑問にお答えします。
本記事を読むことで人工知能とは何か?機械学習やディープラーニングの意味も合わせて基本のイメージが理解できるようになります。
それでは見ていきましょう。
✔️この記事の内容
- 人口知能(AI)とは
- 人口知能(AI)ができること
- 機械学習やディープラーニングとは?
人工知能(AI)とは

AIとは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略で「人工的な知性、知能、思考力」などの意味があります。
初めてAIという言葉が使われたのは1956年に開かれたダートマス会議においてです。
正式には「The Dartmouth Summer Research Project on Artificial Intelligence (人工知能に関するダートマスの夏期研究会)」といい、ここで初めてAI(Artificial Intelligence)という言葉が定義されました。
1956年といえばコンピュータが誕生してまだ間もない時代です。
このダートマス会議の発起人のジョン・マッカーシー(ダートマス・カレッジ助教授),マービン・ミンスキー(ハーバード大学研究員),ナサニエル・ロチェスター(IBMマネージャー),クロード・シャノン(ベル研究所研究員)ら偉いAI研究者たちは、まだ誕生して間もない当時はまだバカでかいお化けのようなコンピュータという機械に、知的な情報処理をさせたいと考えていました。
いわく、

学習のあらゆる面または知能の他のあらゆる機能は正確に説明できるので、機械でそれをシミュレートすることができるはず!!!
はい。もう何言ってるのかよく分かりません笑。
が、簡単に要約すると学習したり知的な作業を行うことは人間が行っていることだから、人間の考えを細かく細かく分解していけば正確に説明できるんじゃない?これを機械でもうまく当てはめて細かく細かく人間の思考に当てはめてプログラムすれば人間の知的な作業を機械にマネさせることができるんじゃないか?と言いたいんだと思います。(余計分かりづらくなったような..(・・?) )
そしてこのダートマス会議を発端としてAI研究の幕が開けました。
人口知能(AI)ができること

AIと聞くと何かSF的な?ビッグブラザー的な?世界の終焉的な?そんなイメージが先行しているような気もしますが、現実世界のAIは実はまだまだ人類をのっとり世界を征服するようなレベルまで全然達していませんので安心してください。笑
いや、めちゃくちゃ将棋やチェスには強いけどね。そして工場のベルトコンベアーに流れてくる製造部品の仕分けはめちゃくちゃ早くて正確だけどね。
こういう、これだけ!とか。限られた特定の分野だけでみるとAIはすでに人間のレベルをとっくに超えていますが、ただ限られた環境の中から一歩外に出た瞬間、今のAIでは途端に応用や融通がきかなくなるんですよね。もうフリーズしちゃうんですよね。フレーム問題といいますがそれはまた別の機会に説明しますね。
さて、そんなAIですが。
これまでに3回のAIブームがありました。
そして、AIにできることはそれぞれの時代ごとによって違います。
- 第1次AIブーム
- 第2次AIブーム
- 第3次AIブーム
第1次AIブーム(1950年代〜1960年代)
推論と探索
人間の思考を分解し、コンピュータにそれをシュミレーションさせることにより迷路やパズルなどの問題を解決する研究を行っていました。
この第1次AIブームのテーマは一言でいうと「推論と探索」と言われています。
言葉は難しいですが、例えばこの迷路を解くには、まずこの道を通ってみようと推論を立てさせます。
それを実際に行ってみようということで探索させ、あれ、行き止まりだった。じゃぁ別のこの道を試してみようとまた別の道を推論します。
そして、あれ?ここも行き止まりだというふうに延々とコンピュータが考えられうる道のパターンを推論し実際に試す探索を行いひとつひとつのルートをつぶしていき、最終的にルートを全て試して迷路を解くというイメージですね。
またこの推論と探索という手法でパズルを組み立てさせることにも有効でした。
しかし、迷路やパズルといった限られた条件のもとだけで成立する問題とは違い、例えば企業が今度新しい商品を作ろうとなった時にどんなものを作れば売れるか?といった問題を考える場合は当時のAIでは全く役に立ちませんでした。
何がAIだよ!使えないやん!ということで一気に人々のAIに対する期待はしぼんでいき第1次AIブームは下火となりました。
第2次AIブーム(1980年代〜1990年代)
エキスパートシステム

第2次AIブームは世の中にパソコンが出回り始めたころです。
この時期のAIはコンピュータに機械学習という手法でデータを大量に覚えさせ
「もし○○だった場合は、○○である。」
と答えを導き出せるようなシステムを研究していました。
これをエキスパートシステムと呼んでいました。
例えば動物を見分けるエキスパートシステムを作ろうとした場合、鳥だったら鳥の絵を大量に覚え込ませ、猫だったら猫の絵を大量にインプットさせます。
そうすると鳥の絵を出された場合にはコンピュータは「これは鳥です!」と答えられるわけですね。
しかし、鳥でも首の長い鳥や足の長いちょっと変わった鳥なんかもいるわけでして、もしその絵を学習していなかった場合、そんなイレギュラーな鳥を絵をぱっと出された途端にコンピュータは答えられなくなるんですね。
人間だったら初めて見る足の長い鳥でも全体像や雰囲気から「これ多分鳥だよな」と答えられるじゃないですか。
でもエキスパートシステムのコンピュータにはそんな人間にとって当たり前の「たぶんこれ見たことないけど○○だよね」ということができないという欠陥がありました。
コンピュータに正確に答えさせるためにはありとあらゆる情報を詰め込まなくてはいけない、しかもその情報を全部インプットしようとしたら情報量は莫大になり当時人の手でひとつひとつ情報をコンピュータにインプットしていた時代です。
研究員も帰りたくなりますよね。
鳥だけとっても鳥の種類を何十何種類だかコンピュータにインプットさせることになる。
そして動物は鳥だけではありませんよね。猫もいれば犬もいる。ヘビだっている。
そのひとつひとつの動物の種類ごとに何十万種類手入力でコンピュータに覚えさせなければいけない。
考えただけでも先行きが思いやられます。
くそが!こんなん無理やん!やってられるかー!ということでエキスパートシステムは下火になりました。笑
第3次AIブーム(2010年代〜現在)
ディープラーニング
そしてようやく我々の時代、第3次AIブームがやってきました。
現在のAIブームのきっかけとなったのは2012年にカナダのトロント大学の研究者たちがAIの画像認識の世界大会「ImageNet(イメージネット)」チャレンジに出場したことがきっかけとなりました。
名だたる大企業や研究機関が出場している中、全く無名だったカナダのトロント大学の研究者グループは2位との間に圧倒的な差をつけて圧勝しました。
カナダのトロント大学の研究者たちが使っていた手法が「ディープラーニング」だったわけですね。
これで一気にディープラーニングが注目され現在のAI研究が爆発的に飛躍するきっかけとなりました。
そしてこのディープラーニングにより画像認識や音声認識、自動運転、自動翻訳などの精度が格段に上がりました。
機械学習やディープラーニングとは?

機械学習とは
機械学習とはAI研究の中のアプローチの一つで、これまでは人の手で作られたプログラミングによるルール(アルゴリズム)により判断していたことを、大量のデータからコンピュータ自身が特徴や傾向、パターンを反復学習し、人の手ではなくコンピュータ自らルール(アルゴリズム)を作り出しデータを推論、分類、予測させるという方法です。
細かくいうと機械学習には以下の3つの種類があります。参考までに。
教師あり学習
教師あり学習とは入力データと出力データ(答え)をセットでコンピュータに覚えさせる方法です。
例えば猫の画像と一緒に「これは猫」という情報も一緒にインプットする。
そうすると猫を画像を認識させたときにコンピュータは「猫だ!」と判断できるわけですね。
教師なし学習
教師あり学習とは違い出力データ(答え)を渡さずに入力データのみをコンピュータに渡し、そのデータ間の類似度、パターンや特徴をコンピュータが見つけ出しデータを分類する方法です。
例えば大量のメールをビジネスメールと迷惑メールに分類するのに使われたりします。
強化学習
強化学習とはコンピュータ自体が試行錯誤した結果、価値を最大化させるような行動をとらせる学習方法のことです。
例えば、株の売買で利益を得るために用いられます。
これは人間に近いアプローチですね。強化学習で賢くなる仕組みは良い結果を出せた時には報酬を与えられる、良い結果を得られなかった場合は罰を与えられるというような仕組みでコンピュータに学習させる方法です。
ディープラーニングとは

ディープラーニングとは機械学習のアプローチの一つの手法です。マトリョーシカみたいにAI研究の中の一つの手法として機械学習があり、その機械学習のアプローチの一つの手法としてディープラーニングがあるというイメージです。
AI=機械学習だったり、ディープラーニング=機械学習という関係なわけではありません。
ではディープラーニングとはどのようなものか?
ディープラーニングを簡単に説明すると学習処理と推論処理の2つに分かれます。
まず、コンピュータに教師あり学習(が多く使われる)でラベルをつけた情報を大量にインプットさせます。
鳥なら鳥のラベルとつけた様々な鳥の絵を入力するわけですね。
この入力作業は30年前の人の手による人力作業とは違い、コンピュータにデータを入力する作業は格段に楽になっています。
そして、データを読み込ませた段階で今度はちょっと変わった足の長い鳥でも特徴から判断して鳥だと答えられるようになるわけです。
入力された鳥の絵から結果を導き出すまでの間に何層もの特徴のあみだくじの層があり、その層は人間の神経細胞に擬えてニューラルネットと呼ばれているんですが、その間の中間層が何層も多重にあることからディープラーニング(深層学習)と呼ばれているのです。
その中間層が何層にもなっているため、足が長い!これは鳥ではない!という単純な判断ではなく、足が長くてもクチバシや全体のフォルムからこれは鳥の特徴に近いぞ?というふうに人間にように特徴から判断し推論を行えるというわけです。
人口知能(AI)とは?機械学習やディープラーニングとの関係もあわせて分かりやすく解説:まとめ

いかがでしたでしょうか?
AIという言葉をよく聞くようになったとはいえ、映画のSFの世界に登場するような人間のように振る舞うロボットや人工知能はまだ現れていません。
そういったSFの中に登場するAIは「強いAI」と呼ばれており、今のテクノロジーではどうやったら作れるのかまだ分かっていません。
現在のAIはある特定の分野においては人間よりも賢い判断が出せますが(これを弱いAIと呼んでいます)、例えば自動運転AIがカルテの画像からガンを発見できるのか?といったらできません。
しかしAI研究は今やGoogle、Amazon、Facebookはじめさまざまなスタートアップ企業が世界中で研究を行っている状況です。
テクノロジーの進化のスピードはすさまじく早くなってきています。
少し先の未来には量子コンピュータというものも登場しコンピューティングのレベルが今とは比べものにならないほど高くなると言われています。
今は限られた特定のタスクしか行えなくても10年後、20年後のAIは今の私たちから見たらびっくりするような進化を遂げていても不思議ではありません。
私個人的には掃除や料理、洗濯など家事全般ををやってくれる家庭用ロボットができていることを期待しています。
それでは今日はここまでになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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